« 受験願書の受付開始です! | トップページ | 書籍紹介(ジュリスト臨時増刊・重要判例解説) »

2008年4月 3日 (木)

判例紹介(ダリ事件)

 今回は、先日の記事で話題に出していた「ダリ事件」についてご紹介します。

 世界的に有名な画家(故人)であるダリの文字を含む商標について、商標法4条1項7号への該当性が争われた審決取消訴訟事件です。特許庁では7号に該当せずと判断されたのですが、高裁では7号に該当すると判断されました。

【事件】
 東京高裁平成14年7月31日判決(ダリ事件)

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/8CA735B2007420F749256C4400256D70.pdf

【要旨】
 本件商標は、指定商品の取引者、需要者に故サルバドール・ダリを想起させるものと認められるところ、同人は、登録査定時においても、「ダリ」はその著名な略称であったから、遺族等の承諾を得ることなく本件商標を指定商品について登録することは、世界的に著名な死者の著名な略称の名声に便乗し、指定商品についての使用の独占をもたらすことになり、故人の名声、名誉を傷つけるおそれがあるばかりでなく、公正な取引秩序を乱し、ひいては国際信義に反するものとして、公の秩序又は善良の風俗を害するものといわざるを得ない。
 そうすると、本件商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできず、その商標登録は商標法4条1項7号に違反してされたものとはいえないとした審決の認定判断は、誤りというべきである。

【コメント】
 先日も触れましたように、故人については例えどんなに著名人であっても、商4条1項8号にいう「他人」には含めないというのが特許庁のスタンスです。ですから、本事件の事案のように、故人である著名な人物の名前や略称を含む商標の登録を8号によって除外することができません。

 そこで本事件では、7号に掲げられた公序良俗を理由に、商標登録が認められないという判断がなされました。

 ほかの条文では拒絶できないのだけど、でも、やっぱり登録させるのはちょっとな・・・というときの最後の切り札ですね、7号(公序良俗)は。

 類似の事例としては、ドゥーセラム事件(東京高裁平成11年12月22日)があります。というか、こちらの事件のほうが有名かも知れません。

 ほかに近時の事例として、確か、「大仏さまのはなくそ」というような商標を登録しようとして、やはり7号で拒絶されたという事件もあったような気がします。

 最終兵器という感じですね、7号。

|

« 受験願書の受付開始です! | トップページ | 書籍紹介(ジュリスト臨時増刊・重要判例解説) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 判例紹介(ダリ事件):

« 受験願書の受付開始です! | トップページ | 書籍紹介(ジュリスト臨時増刊・重要判例解説) »