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2010年6月 7日 (月)

判例紹介(Nintendo事件)

 こんにちは、判例案内人です。

 都合により1ヶ月ほど判例紹介が滞り、失礼しました。

 短答式試験を受験された方はもうすぐ合格発表ですね。合格を信じて次の難関である論文式試験に備えましょう!

 さて今回は、IPコミュニティにて進行中の最短合格ゼミのサポートゼミで取り扱った判例の中から、商標に関する興味深い事件をご紹介します。

【事件】
 東京地裁平成4年5月27日判決(Nintendo 事件)

【要旨】
 登録商標が付された商品に改造を加えて当該商品とは同一性のない商品とした上で、このような商品を当該登録商標を付したまま、更に自己の商標を付して販売した場合、当該販売行為は、当該登録商標に係る商標権の侵害となる。

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学習のポイント
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 今回は、少々古い平成4年の東京地裁判決であるNintendo 事件をご紹介
します。

 この事件では、他人の登録商標が付されたテレビゲーム機の内部構造に改造を施し、その改造後のテレビゲーム機に対してさらに独自の表示を付して販売することが商標権侵害に該当するかが争われました。この事件の要旨については平成19年度口述試験において問われています。

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解説
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 始めに、事案の概要を簡単に説明します。

 Xは指定商品をおもちゃ等とする登録商標「Nintendo」に係る商標権者であり、この登録商標を付した家庭用テレビゲーム機を製造販売していた。第三者Yは、Xが販売したテレビゲーム機の内部構造に改造を施し、この改造がなされたテレビゲーム機を、X の登録商標を付したまま、さらに「HACKER JUNIOR」の表示を付して販売した。これに対して、Xが商標権侵害として訴えを提起した。

 さて、この事案に対した裁判所は、『登録商標が付された商品に改造を加えて当該商品とは同一性のない商品とした上で、このような商品を当該登録商標を付したまま、更に自己の商標を付して販売した場合、当該販売行為は、当該登録商標に係る商標権の侵害となる。』と判断しました。

 また、その理由について裁判所は以下のように述べています。

『被告は、右のとおり、原告商品の内部構造に改造を加えた上で被告商品を販売しているのであるから、改造後の原告商品である被告商品に原告の本件登録商標が付されていると、改造後の商品が原告により販売されたとの誤認を生ずるおそれがあり、これによって、原告の本件登録商標の持つ出所表示機能が害されるおそれがあると認められる。さらに、改造後の商品については、原告がその品質につき責任を負うことができないところ、それにもかかわらずこれに原告の本件登録商標が付されていると、当該商標の持つ品質表示機能が害されるおそれがあるとも認められる。したがって、被告が、原告商品を改造した後も本件登録商標を付したままにして被告商品を販売する行為は、原告の本件商標権を侵害するものというべきである。』

(以下省略)
続きはIPコミュニティ
の最短合格ゼミにて。

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